ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『ほら、次は敬大の番や。叫べ』

誠治はそう言って敬大にギターを渡した。

敬大はマイクの前に立ち目を閉じてしばらく考え込んでいたが、目を開けたと同時にギターを掻き鳴らし、叫んだ。

『ふ、ふざけんな!!俺を…俺を捨てたくせに今更会える訳ねーだろ!!俺はあの日からずっとアンタを恨んでたんだ!!絶対許さないからな!!どんなに謝ったって、絶対許さないから!!』

敬大は母親への怒りや不満を叫んで、叫んで、叫びまくった。

『どうや、ちょっとはスッキリしたか?』

誠治は笑顔で尋ねた。

『ハァ…ハァ…』

敬大は叫びまくって息を切らしていた。

『なあ、敬大。今叫んだその思いをオカンにおもいっきりぶつけて来たらええんちゃうんか?』

『誠治さん…』

敬大は誠治の方を見た。

『確かに今更会う気になれらへんのはわかるで敬大。でもな敬大、世の中にはオカンに会いたくても会えへん奴はおるんやで』

誠治は敬大に優しく語りだした。

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