ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『俺のオトンもオカンもちゃんと元気でおるし、普通の平凡な家庭で育った訳やからさ、敬大の気持ちの全てを解るわけちゃうけど…でも今オカンに言いたい事は全部言わなアカンのちゃうか?後で言えずに後悔すんのは絶対アカンし。それに敬大にとってオカンは一人のように、敬大のオカンにも子供は敬大だけなんやから、最期くらい一緒にいてやってもええんちゃうか。別に手を握るとか、優しい言葉をかけるとか、そんなんいらんねん。話すのが嫌なら話さんでもええ。ただ傍におるだけできっとオカンは嬉しいはずやで』

誠治は敬大の目を見つめ、敬大の心に語りかけた。

『でも俺は…』

敬大がこぶしを握りしめ考え込んだ。

誠治は葛藤している敬大をじっと見つめていたが、しばらくすると敬大を一人スタジオに残してスタジオを出た。

『おっ?誠治もうスタジオええんか?』

スタジオを出て来た誠治に管理人が言った。


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