ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『楓ちゃんに…何かあったんでしょ?』

レミは敬大の腕を握りしめて離さなかった。

『ごめん』

敬大は理由を話さずただ謝った。

『行かないで敬大…』

レミは今までの募りに募った敬大への不安が溢れていた。

『ご、ごめん』

敬大はボソッと謝った。

『ねぇ、どうして敬大が行くの?楓ちゃんには蓮君がいるんだよ、なのにどうして敬大が…』

レミは不安でいっぱいで涙を零した。

『これは俺の問題だから…だから俺が行かなきゃならないんだ。だから…ごめんレミ…』

敬大は指でレミの涙を優しく拭った。

レミは俯きしばらく黙り込んでいたが、顔をあげた。

『敬大は楓ちゃんの事になったら、いてもたってもいられなくなるんだよね。遊園地行った時もそうだったし…呼び止めてごめんね敬大』

レミは涙を瞳の奥に隠して無理矢理笑顔を作って言った。


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