ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『敬大!!』

蓮が病室に戻って来た。

『敬大、レミさんはお店があるから先に帰るって言ってたぞ』

蓮はレミからの伝言を伝えた。

『うん、わかった…後でレミに謝らないとな…怒鳴ってしまったし』

敬大は申し訳なさそうだった。

その後、蓮と楓は病室を去り敬大はまだ傷の治らない左手の回復に専念した。

少しでも早くリハビリを始められるように。

そしてこのクリスマスの夜に降り続く雪が、涙となって流れ落ち始めた。

病室で一人外を眺めていた敬大の携帯に電話がかかってきた。

『誰からだろう?…えっ、公衆電話から?』

敬大は携帯に出た。

『はい…』

しかし応答はしばらくなかった。

『誰ですか?』

『敬大…』

電話の向こうから聞こえて来たその声に敬大は気付いた。

『レミ…!?』

『敬大…』

レミは雪の降り積もる電話BOXの中から電話していた。


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