ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『もういいって。…それより一体どうしたんだよ?』

敬大は突然嘘をついてまで別れを切り出したレミが心配だった。

『あたしは…あたしは敬大には必要ないんだって気付いたんだ』

『な、何言ってるんだよ!!俺にはレミが必要だよ!!』

『ううん、必要なんかじゃないよ。だって敬大が本当に必要としてる人は他にいるもん』

レミは涙声で言った。

『そんなこと…』

『そんなことあるよ。ずっと敬大と一緒にいたけど、いつも敬大の心にはあたしじゃない別の人がいた。それが誰なのかずっとわからなかったけど、でも最近になってその人が誰なのかわかったんだ。あたしがその人に勝てない事もわかったんだ』

レミは震える手で、公衆電話にお金を入れながら話した。

『俺の心にいる人?』

『敬大はまだ気付いてないんだ…相変わらず鈍感だね』

レミは泣きながら笑った。


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