ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『うん。実は…』

敬大はいきさつを友也に全て話した。

『そんな事があったのか…。ごめんな敬大、俺が恭吾に関わったのが全て始まりで…そこからお前を巻き込んでしまって、本当にごめん』

友也は敬大に頭を深々と下げた。

敬大はそんな友也の肩をそっと叩いた。

『そんな事気にすんなって。リハビリ続けてたら、きっとまた俺の左手の指だって動くんだから…奇跡はあるんだから…』

敬大は友也に優しく微笑んだ。

『敬大…』

友也は前向きな敬大を見て少し安心した。

『よーし、友也。友也の出所祝いにメシでも食いに行こう。正月から一人でいても暇だしさ』

敬大はそう言って歩き出した。

『一人いてって…レミさんはどうしたんだよ?』

友也は敬大の後を追うように歩き出した。

『レミとは別れた』

敬大は友也の方を振り向き、あっさりと答えた。


< 255 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop