ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『こんなとこ来て一体どうすんだよ?』

敬大は楓に尋ねた。

『良いから、良いから』

楓はそう告げ校門を通り抜け、さっさと校舎の方へ歩いて行った。

敬大はそんな楓の後をついて歩いた。

二人は誰もいない校舎の中に入り、自分たちが学んでいた懐かしい教室に入った。

『うわー、ちっちゃい机だね。こんな机に座って勉強してたんだね、あたしたちは』

楓はそう言って懐かしそうに机を見つめた。

『確かにちっちぇーな。よくこんなの座ってたな』

敬大はそう言いながら、昔自分が座っていた窓際の後ろから2番目の席に腰掛けた。

すると楓は教壇に立ち、先生のまね事をし始めた。

『オホン。瑞輝 敬大くん』

『はあ?何だよいきなり』

敬大は楓の突然のまね事に困惑した。

『はあ?じゃないでしょ!!返事は“はい”でしょ!!もう一度やり直し。瑞輝敬大くん』

楓はもう一度先生のまね事をした。


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