ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜

『ああ、俺のはないんだ。俺はタイムカプセルを入れてないんだ』

敬大はそう言って、土をどんどん被せた。

『どうしてタイムカプセルを入れなかったの？』

『さあな、ちっちぇー頃の考えなんて今になったらわかんねーよ…よし、完了』

敬大は箱をもう一度完全に埋め終えた。

『さあ、じゃあ行こうか』

そう言いって敬大はスコップを元あった場所に戻し、手を洗って歩き出した。

『あ、待って敬大。もう一カ所寄りたい所があるの!!』

楓は敬大を呼び止めた。

『え？まだどこか行きたいのか？』

敬大は少し憂鬱な顔をした。

『今日はあたしのお祝いでしょ？だったらとことん付き合ってよ。独身最後の日をさ』

楓はそう言って敬大の手を引っ張り、さっさと歩き出した。

『そう言われたら断るに断れないしな…ってか、次はどこ行くんだよ？』

敬大はさっさと歩く楓に尋ねた。