ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『敬大!!敬大ってば!!』

楓は一人物思いにふけている敬大を呼んだ。

『えっ?あ、何?』

敬大は楓の呼びかけに我に帰った。

『中入ろう』

そう言って楓は体育館の扉を開けた。

そして二人は靴を脱ぎ、体育館内に足を踏み入れた。

敬大は懐かしい感覚に襲われ、辺りをゆっくり見回した。

『懐かしいでしょ?敬大』

楓はそう言って、体育館の端に転がっているバスケットボールを拾った。

『敬大行くよ』

『えっ?』

楓は敬大目掛けてバスケットボールを投げた。

敬大はバスケットボールを受け取った。

『バスケットボール…』

敬大はバスケットボールを両手でギュッと掴み、じっとボールを見つめた。

『敬大は高校時代バスケ部のエースだったよね。てっきりあたしは敬大は音楽が好きだから、音楽系の部活に入るんだと思ってたのに…意外だったよ』

楓は笑顔で話し出した。


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