ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『今の優太さんってもしかして…』

敬大がそう言うと祥乃は笑顔で答えた。

『そうだよ、意識がなくてずっと眠っていたあたしの彼だよ』

『意識取り戻したのか…良かったな。祥乃の思いが奇跡を起こしたんだな、きっと』

敬大は笑顔で言った。

『うん。あたし奇跡を信じて良かった』

祥乃のその言葉に敬大は人一倍共感した。

『お待たせ、祥乃』

二人が会話していると優太が戻って来た。

『じゃあ、あたしたち客席で見てるから頑張ってね敬大君』

祥乃は優太の車椅子を押し、楽しそうに会話をしながらゆっくりと客席に向かった。

『ふふ、幸せそうだな祥乃。本当に良かったな』

敬大は幸せそうな二人の後ろ姿を見て微笑んだ。

『さてと、そろそろ開演時間だな。戻るかな』

敬大がそう言って歩き出した瞬間、女性とぶつかった。

『きゃあ!!』

女性は地面に倒れた。


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