ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜

太陽の光が降り注ぎ、柔らかなそよ風が敬大の登場を彩った。

大きな大きなステージの上からは、５万人の観客たちの姿が見渡せた。

敬大は一歩一歩確実にステージの中央の後ろから前へと足を運んだ。

そしてマイクスタンドの傍に来て、もう一度深呼吸をついた。

『は、初めましてＷＭＲの新人の瑞輝敬大です』

敬大が自己紹介をすると、客席から黄色い声援が飛び交った。

敬大は黄色い声援に少し照れていた。

『えーっと…俺は昔からミュージシャンになるのが夢で、果てしない夢をずっと追いかけて一時は夢を枯らしてしまいそうになった時もありました。だけど、小さい頃の自分が未来の自分にした約束を守るために、この場所にやってきました。そして大切な人が夢を応援してくれたから、俺はここまでこれました。今この夢の舞台で俺は一生懸命に歌います。聴いてください、出来たばかりの曲“愛のかたち”』

敬大はギターの弦を優しく弾き始めた。