ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
愛のかたち…それは敬大なりの愛のかたちを綴ったバラードだった。

敬大の思いの詰まったこの歌が、観客たちの心に優しくそっと染み込んで行った。

観客たちは敬大の歌に心を奪われて、頬を伝う涙がキラリと光った。

さっきまで緊張していた敬大の姿はそこにはなく、一人のプロのミュージシャンとして眩しいくらい輝く敬大の姿があった。

たったの1曲…それもたったの5分02秒間だけだけど、ステージ上で敬大は誰よりも何よりも輝いていた。

歌い終えた敬大は、深々と客席に向かって頭を下げた。

客席からは今日1番とも言える盛大な拍手が贈られた。

敬大はやり切った感いっぱいのままゆっくりとステージの階段を降りて、控え室に戻ろうとした。

するとそんな敬大にリョータが声をかけた。

『お疲れ敬大。今のお前は良い顔してるよ。全てを出し切ったみたいだな』

リョータは笑顔で言った。


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