ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
リョータのその言葉を聞いて、敬大は考え込んだ。

そしてそんな敬大の脳裏に言葉が過ぎった。

“いくら親友だって…自分の大切なものは譲っちゃ行けないよ!!”

レミに言われたその言葉が敬大の心に火をつけた。

『リョータさん…俺…俺行ってきます。今更だけど俺、この気持ち伝えて来ます』

敬大は決心し、ギターを背負い走り出した。

『ああ、行ってこい敬大。夢を掴んだその手で掴んでこい、大切な人との未来を』

リョータはそう言って敬大を見送った。

『頑張れよ、敬大。さてと、俺もステージに行くか…』

リョータはステージへと歩き出した。

リョータがステージに姿を見せると、歓声が沸き起こった。

リョータは観客たちに笑顔を見せ、語りかけた。

『みんな、今日は来てくれてありがとう。今日は俺の新曲を披露したいと思います。この歌は愛する人の笑顔が見たいから、そのために気持ちと共に走り続けている歌です。今この歌のように愛する人のもとに走り続けている一人の男がいます。この歌を聞きながら、みんなも応援してやってください…“君だけのメロス”』

リョータはそう言ってギターを弾き始めた。


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