ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『うん。バイトの方が時間に融通がきくから…その方がこうやって毎日病院に足を運べるしね』

楓は笑顔で言った。

『そっか…でも勿体ないよな。せっかく一流大学のセントローズ学院大学を卒業したのにさ…。親は反対しなかったの?』

『されたよ。でも、あたしの素直な気持ちのままに選んだ事だから…両親も分かってくれた』

『なるほどな。何か楓ちゃん凄いね、なかなか出来ないよそんな事はさ』

友也はそう言って笑いかけた。

『敬大の奴は本当に幸せ者だよな』

友也はそう言って、たどり着いた敬大の病室のドアを勢いよく開けた。

すると、窓から入り込むそよ風でカーテンが靡いていて、眠っているハズの敬大が上半身をベッドから起こし、そよ風に当たりながら窓から外を見つめていた。

『け…敬大!?』

その様子を見た友也は驚き、ドア付近で立ち止まった。

『敬…大…』

楓は起き上がっている敬大を見て涙が零れた。


< 324 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop