ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『え、本当に!?いいよ』

楓は敬大の突然の誘いに喜んで了承した。

『じゃああたし…車椅子借りてくるね』

楓はそう言って備品室まで車椅子を借りに行った。

車椅子を借り、院長の許可を得た二人は街へと繰り出した。

平日でもあり、街にはサラリーマンやOLなどスーツや制服を身に纏った人々が目立った。

『みんな仕事に追われてか…せわしなく歩いてるね』

楓は敬大の車椅子を押しながら、周りを見渡して言った。

『ですね。あの…前から1つ気になっていたんですが、就職をやめてバイトの方を選んだって言ってましたけど…どうして何ですか?』

敬大は気になっていたことを尋ねた。

『ああ、それね。ただ…就職して職場にいる事よりも、もっとあたしにとって大切な場所が…居場所が他にあったからかな』

楓は笑顔で理由を話した。

『居場所?どこですかそれは?』

敬大は車椅子を押す楓の方を振り返り尋ねた。


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