ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『じゃあな』

敬大は一言そう言って、立ち去った。

『敬大…どうして夢を諦めちゃったの…』

楓は暗闇に消え行く敬大の後ろ姿を見つめ続けた。

独りになった敬大の頭の中を、楓が言った言葉がぐるぐる漂い続けた。

『夢を諦めたらダメ…か。クソッ!!』

敬大は自販機の傍のプラスチックのごみ箱を蹴り飛ばした。

『コラ!!何やってるだ!!』

その姿をふと見ていたパトロール中のお巡りさんが、大声で怒鳴った。

『や、やべー!!』

敬大は走って、追いかけてくるお巡りさんから逃げた。

『待てー!!』

お巡りさんはしつこく敬大を追いかけた。

十字路を敬大が直進しようとしたら、突然右側から誰かが敬大の腕を引っ張り、停車している車に乗せた。

お巡りさんはそれに気付かず、十字路を真っ直ぐ直進した。

それを車の中から見た敬大はひと安心した。

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