ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜
ユニフォームを着替えた拓也は、鞄を片手に関係者専用通路を抜け、球場の外へと出た。

『お疲れ、拓也』

球場の出口で友也が腕を組んで立っていた。

『友也さん!!』

拓也は驚いた表情を見せた。

『試合…見に来てくれてたんですね』

拓也は笑顔で言った。

『ああ、プロ初勝利おめでとう拓也』

友也は笑顔でそう言って、右手の親指をグッと立てた。

『ありがとうございます』

拓也はそう言って、鞄からウイニングボールを取り出した。

『これ、約束のボールです。受け取って下さい』

拓也は友也にウイニングボールを手渡した。

『約束したけど…これはお前の記念のボールだろ。受け取れないよ』

友也はそう言って拓也にボールを返した。

『いえ、これは友也さんに持っていて貰いたいんです。今の俺があるのも友也さんのおかげですから』

拓也はもう一度友也にボールを手渡した。


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