ミュージック･ラブ３〜愛を奏でるメイフラワー〜

『…マネージャーほっといて良いのか？』

敬大はそう言いながら助手席に座った。

『良いよ。あのマネージャーいつも口うるさいんだよね』

祥乃はそう言って、車のエンジンをかけた。

『よし、夜景でも見に行こう』

祥乃はそう言って、マネージャーの車を勝手に走らした。

敬大は助手席に乗りながら、ただ静かに外の景色を見つめていた。

『敬大君ってさ、彼女いるの？』

黙って外を見ている敬大に祥乃は尋ねた。

『えっ!?まあ一応…』

『そっかー、ラブラブって感じ？』

祥乃は笑顔で尋ねた。

『ど、どうだかな…』

『あー、ラブラブなんだ、良いなー…』

そう言った後、祥乃は一瞬寂しげな表情を見せた。

そして、沈黙が少し続いた後祥乃が口を開いた。

『あたしね、少し前に彼氏がいたの…。それでね、今のモデルの仕事はあたしのちっちゃい頃からの夢だったんだけど…』

祥乃は車を道路の端に一旦停車して静かに話始めた。