ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『うん。でも、お兄ちゃんとあたしは父親が違うんだけどね』

祥乃は車の窓から手を伸ばし、ラジオの音量をあげた。

『父親が違うって?』

『うん。お兄ちゃんの本当のパパはいないの。子連れでママがあたしのパパと再婚して、その二人の間に出来たのがあたし。だからお兄ちゃんとは、ママは同じでもパパは違うの』

祥乃はそう言いながら、車にもたれかかった。

『ふーん、そうなんだ』

『そうだよ。あ、この曲お兄ちゃんの新曲だ!!』

祥乃はそう言って耳を澄ませた。

敬大も耳を済まし曲を聴いた。


ヒトリノユメ

溢れた涙が 夏に流されて星となり 世界を包んでく いつまでも消えない

孤独と気付いた 静かな夜に ささやいた 夜空のお月様 優しい顔で笑ってる

周りを見てごらん 君はもう独りじゃない 星たちも 君の事見ているよ 涙色にかすむ空


夢見たあの日の 遠い夏の影 揺れていた 心の隙間から 零れ落ちる光

叶わぬ夢だと 知ったあの日から 答えさえ 見つからないまま ただ諦めていたんだ

いつしか忘れてた 夢という言葉 もう一度 追い掛けられるのかな ホコリまみれの夢を…。


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