ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
二人は夜景を見ながら、静かにラジオから流れる曲を聴いていた。

『お兄ちゃんが言ってたんだけど、この歌の最後の“ホコリまみれの夢”ってさ、いつしか追いかけなくなって埃まみれになった夢と、本気で追いかけてる自分だけの誇りまみれの夢の二つの意味があるんだって』

祥乃は歌詞の一部分を説明した。

『埃と誇りか…今の俺の場合は埃まみれの方だな…』

敬大はふと呟いた。

『何?何か言った?』

祥乃は敬大の呟いた言葉に反応した。

『いや…何でもないよ。そろそろ帰ろうか』

敬大はそう言って車に乗り込んだ。

『そうだね』

祥乃も車に乗り込んだ。

すると祥乃は携帯電話が鳴っている事に気付いた。

『あ、マネージャーからだ!!』

祥乃は電話に出た。

『ホコリまみれの夢か…もう4年も経つもんな…もう埃まみれだよな…』

電話をしている祥乃を横目に、敬大は独り呟き考えこんだ。

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