ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『自分じゃそんな事わからないか。まあ、そんなのって他人から言われて初めて気付く事だしね。…さあ、帰ろ帰ろ!!』

祥乃はそう言って、車を走らせた。

帰りの車内でも、二人は何気ない会話を交わした。

『ここで良いよ』

見慣れたアパートの近くの公園まで来ると、敬大は祥乃に言った。

祥乃は車を停車した。

『敬大君、今日は付き合ってくれてありがとう』

助手席から車を降りた敬大に祥乃が言った。

『ううん、こっちこそ。それよりマネージャーに怒られるんじゃないのか?』

『たぶん…っていうか、絶対怒られると思う。電話でもかなり怒ってたし…でも、適当にごまかしとくから大丈夫だよ』

祥乃は無邪気な笑顔を見せた。

『そっか…まあ頑張れよ。スーパーモデルさん』

『はーい♪』

敬大は助手席のドアを閉めた。

アクセルをふかした祥乃の車は、暗闇の中へとあっという間に消えて行った。

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