ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『楓ちゃんってさ…敬大の事が好きでしょ?』

また沈黙を破り、レミは楓に尋ねた。

『え?…そ、そんな事ないです。敬大とはただの幼なじみですから…』

楓はかなりの動揺を浮かべた。

『彼女のあたしに気を使って、自分の気持ちを隠さなくて良いよ。さっき4人で水槽を見て回ってる時、楓ちゃんはずっと敬大の事見てたしね。敬大の事好きなんでしょ?』

レミはうつむく楓に尋ねた。

『…うん』

楓は小さくうなづいた。

『いつから?もしかして昔から?』

『わからないです。ただの幼なじみだってずっと思ってたけど、敬大が少年院に入って初めて離れ離れになった時、凄く寂しくて…辛かった。そしたらこの前4年ぶりに敬大に会ったら、懐かしさもあってか…何だか胸が痛くて…』

楓はもぞかしそうだった。

『ふ〜ん、失って初めて大切さに気付いたってやつだね』

レミは笑顔で言った。

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