ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
楓は黙ってレミの話を聞いていた。
『降りしきる春の雨に打たれながら、歩道橋の上で涙を流し小犬のように震えながらしゃがみ込んでた、そんなあたしにそっと傘をさしてくれた人がいたんだ。それが敬大だった。敬大はあたしに何も聞かず、ただ雨の中ずっと隣であたしに傘をさしてくれてた』
『敬大が?』
『うん。人間不信になって、毎日を怯えてアパートの部屋から出なくなったあたしを、もう一度外の世界に出させてくれたのも敬大だった。毎日のようにあたしの部屋のドアの外に座って、あたしに話しかけてくれたんだ。悪くいえばストーカーなんだけど…あの時のあたしには凄く嬉しかった。そのせいで管理人さんに“うるさい”って何度も注意されてたな…。何度も死にたいなんて口にしたけど、その度に敬大は“お前が死ねば俺が悲しむ”とか“死ぬ覚悟を、もう一度生きる覚悟に変えようよ”とか、言葉をかけてくれた。敬大にあたしは助けられたんだ』
レミはそう言って、楓に優しく笑いかけた。
『降りしきる春の雨に打たれながら、歩道橋の上で涙を流し小犬のように震えながらしゃがみ込んでた、そんなあたしにそっと傘をさしてくれた人がいたんだ。それが敬大だった。敬大はあたしに何も聞かず、ただ雨の中ずっと隣であたしに傘をさしてくれてた』
『敬大が?』
『うん。人間不信になって、毎日を怯えてアパートの部屋から出なくなったあたしを、もう一度外の世界に出させてくれたのも敬大だった。毎日のようにあたしの部屋のドアの外に座って、あたしに話しかけてくれたんだ。悪くいえばストーカーなんだけど…あの時のあたしには凄く嬉しかった。そのせいで管理人さんに“うるさい”って何度も注意されてたな…。何度も死にたいなんて口にしたけど、その度に敬大は“お前が死ねば俺が悲しむ”とか“死ぬ覚悟を、もう一度生きる覚悟に変えようよ”とか、言葉をかけてくれた。敬大にあたしは助けられたんだ』
レミはそう言って、楓に優しく笑いかけた。