ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
敬大たちは警察署に訪れ、取り調べが終わったばかりの友也と面会した。

『友也…お前バカだよ!!施設の賃料の滞納費を払うために、売薬人なんかやりやがってよ!!俺たちは友達なんだから、相談くらいしろよ!!』

蓮はガラスの向こうの友也に説教をした。

『悪かったな。お前たちが友達だからこそ、お前たちには迷惑かけたくなかったんだ』

友也はガラスごしに頭を軽く下げた。

『友也、他には方法がなかったのかよ?』

敬大は頭を下げている友也に尋ねた。

『俺なりに銀行とかかけずり回ったり、地主さんとこにお願いに行ったりしたよ。でも…少年院出の俺の話なんか、何も聞いてくれなかったよ』

友也は悔しい気持ちが一杯の上、少し悲しげだった。

同じ少年院出の敬大には、そんな友也の悔しい気持ちが痛いほどわかった。

『でも俺は後悔してない。アイツらを…施設と施設の子たちをとりあえず守る事が出来たんだから…』

友也はそう言って、軽く微笑んだ。

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