ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『あたしの事は良いのー』

レミはふて腐れた感じで言った。

『何だよそれ…。あっ、レミ!!俺のスーツって押し入れにあったよな?』

そう言って、敬大は起き上がった。

『スーツ!?確か押し入れにあったよ。でもどうした敬大、フリーター卒業して就活する気にでもなったの?』

レミは驚きながら尋ねた。

『いや、ちょっとな…』

敬大は少し戸惑いながら言った。

『ちょっとか…まあ、言いたくないんなら良いけどさ。じゃあ敬大、あたしお店行ってくるね』

レミは玄関で靴を履き、敬大の方を向いて言った。

『あ、ちょっと待って…』

敬大は玄関にいるレミの方に歩み寄った。

『レミ、気をつけてな』

そう言って敬大はレミの目を見つめ、レミのおでこに軽くキスをした。

『了解』

レミは笑顔でそう言って敬大に手を振り、部屋を出て行った。

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