ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『あたし小さい頃から敬大のおばさん知ってるけど…まさか…』

楓は敬大の母親の行動が信じられなかった。

『最近になって敬大の所に、母親から手紙が届くようになったらしいんだけど…今更読む気にもなれないらしくて、一度も手紙を読んでないらしいよ』

蓮はそう言って夜空を見上げた。

楓も夜空を見上げ、しばらく沈黙が続いた。

『蓮君…どうしてあたしにその話をしたの?』

楓は疑問に思った事を尋ねた。

『楓ちゃんは敬大の幼なじみで、敬大と高校も一緒で敬大が警察に捕まる瞬間も見てた。だから、嘘じゃない本当の敬大の事を知ってて欲しかったんだよ。幼なじみにずっと人殺しだなんて思われてるのはイヤだと思うし…』

『あ、あたしは別に敬大の事人殺しだなんて…』

楓はあせって言い返した。

『アハハハ、わかってるって…冗談だよ。敬大の心にポッカリ開いた大きな穴を埋めてやりたいんだ。だから、敬大の昔を知ってる楓ちゃんだからこそ埋められる部分があると思うからさ…』

蓮はそう言って、楓に優しく笑いかけた。


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