強引な君と甘い恋
◇男が苦手なあたし
「はぁ、はぁ…つかれた」
普段運動をしていないから、今の距離を走っただけで一気に体力を奪われた。
校舎に入ったあたしは、取りあえず手を洗おうと、廊下にある流し台に向かった。
男たちに掴まれた手を石鹸をつけてゴシゴシと洗う。
あの人たち気持ち悪かった。
だから、助けてくれた彼には感謝しなくちゃ。
でも、嫌な気分にさせちゃったかな?
親切に手を差しのべてくれたのに、あたしの勝手で手を払いのけちゃって。
少し反省。ちゃんと言えば良かったな。
あたしはそう思いながら手を水で流すと、ポケットからハンカチを取り出し手を拭いた。
「あれ?美春?」
ポケットにハンカチをしまった時、名前を呼ばれた。
振り向くと、明るい茶色の髪を高い位置で一つに結び、化粧をしたギャル風の女の子が立っていた。
「あやめ!」
「あれ?裏庭じゃないの?」
抱きついたあたしを抱き返した女の子、筒見あやめ(ツツミ)はあたしの友達。
ギャルっぽいけど、人思いの優しい女の子。
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