強引な君と甘い恋
「んー?うん、知ってるよ」
し、知ってて?
確信犯!?
「それよりさ…」
立ち上がった彼は、彰とあたしの方に向かって近付こうとしている。
固まるあたしに、彰は抱く力を強めた。
「ちょっと竜!こっちに来ないで」
「あんた!美春に近付くな!」
彰とあやめは彼の動きを止めようとするが、彼は耳もかさず近付いてくる。
「……ゃ!」
「竜!」
誠司くんにまでも言われると、やっと彼は足を止めた。
そして大きなため息をついた。
ため息をつきたいのはあたしの方だよ…。
「ねぇ、君は俺がイヤなの?」
真剣な声で聞いてくるから、あたしは驚いて顔を上げた。
何でそんなこと…?
「男の子が苦手なのよ。分かったら下がって」
戸惑うあたしの代わりに彰が答え、説明してくれた。
.