強引な君と甘い恋


「ねぇ美春、サンドイッチちょうだい?おいしかったから」


「え?これあたしの」



その場に座った御堂くんは、あたしのお弁当を見て言った。


あたしはすぐにお弁当を抱え込み、また少し後ずさった。



だ、ダメだもん!


あたしのお昼がなくなっちゃう。



「え〜、一個だけでもいいから」



「……っ」



お願いっと言って片目を瞑りながら手を合わせる彼に、不覚にも綺麗だなっと思ってしまった。



「ねぇ、美春?」



そんな甘い声に、男の子に対するあたしの恐怖感が和らいでいく。



どうして?


男の子は苦手なはずなのに。



それに、あやめが御堂くんには気を付けろって言ってたから


彼は絶対にあたしにとって敵の男の子だ。



誠司くんとは違う、あたしが嫌いな¨あの人¨と同じタイプの男の子。






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