強引な君と甘い恋
「あれれぇ〜?ここにいると思ったんだけどなぁ…ン?」
あたしが安堵のため息をついていると、声を出した張本人があたしに気付いた。
視線が気になり目をやると、窓には前髪をゴムで結んだ可愛い、可愛い女の子…いや
…男…の子?
「ん〜?ん〜っと……あ!美春ちゃんだぁ!」
手のひらをポンッと叩き、思い出したようにあたしを指差す…男の子。
…だれ?
あたしのことを知ってるみたいだけど、あたしは知らない。
「やっぱりやっぱりぃ!ねぇねぇ美春ちゃん。あやめちゃんは何処にいるの?」
にこっと笑って窓から入って来た男の子は、あたしの向かいに座って聞いてきた。
あやめの知り合い、なのかな?
とりあえず、危害を与える敵ではないみたいだし。
あやめの知り合いなら安全かも。
そう思ったあたしは安堵して男の子に言った。
「ごめんなさい。あたしも分からなくて」
いきなりいなくなっちゃったから、あたしも何処に行ったのか分からない。
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