二択(君だけ)
今回の事件は、詩織が自分で刺したと主張を変えなかったが、

明らかに、自分で刺すのは無理があった。


だが、刺されたことを認めない被害者に対して、

これ以上は深くは追求できない。

夫は認め、反省している。


殺人罪にすることはなかった。



「フゥ…」


人生の選択…。


佐山は、最悪の結果を選んでしまったが、


それが、夫婦の絆を強めることになった。


それともう1つ。

長谷川が、詩織に確認したことで、

佐山に告げなかったことがあった。

中学時代、


詩織は、飯田と付き合っていなかった。

それどころか、

飯田のことを覚えてなかったのだ。


多分、飯田は…成績が上がった佐山を蹴落とそうとしたのだろう。


今更、佐山に言っても仕方がない。

今の彼には、必要ない情報である。

彼は、克服したのだから。


1人寂しく、自宅に帰った長谷川は、ため息をついた。


「結婚…か」



残念ながら、彼には相手がいない。




終わり。
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