記憶の破片
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「お待たせしました」
お盆には二人分の緑茶と、二個の大福。
私たちはそれを食べながら他愛もない話をした。
少しして話が一度、途切れたとき、沙知さんが言いづらそうに話し出す。
「さっきは元気そうでしたけど、普段、沖田さんはどうですか?」
普段…。
「調子がいいとすぐに刀を構えたりしてます」
そう伝えると、沙知さんはくすくすと笑いだした。
その綺麗な横顔はやっぱりお母さんを連想させて、私は勝手にドキドキしていた。
「そう。あのね、私の得意教科って日本史なの」
綺麗な笑顔が少しずつ曇っていく。
でも理由がよくわからかい。
「特に好きなのは幕末、新選組。だから割りと西暦とか把握してるんだけどね…」
そこで沙知さんは言葉を切る。
いい予感はもちろんしない。
「…沖田さんに惹かれているなら、できるだけ傍にいた方がいいわ」
その言葉を理解するのに時間はかからなかった。
私は沙知さんにろくな挨拶もせずに走り出した。
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「お待たせしました」
お盆には二人分の緑茶と、二個の大福。
私たちはそれを食べながら他愛もない話をした。
少しして話が一度、途切れたとき、沙知さんが言いづらそうに話し出す。
「さっきは元気そうでしたけど、普段、沖田さんはどうですか?」
普段…。
「調子がいいとすぐに刀を構えたりしてます」
そう伝えると、沙知さんはくすくすと笑いだした。
その綺麗な横顔はやっぱりお母さんを連想させて、私は勝手にドキドキしていた。
「そう。あのね、私の得意教科って日本史なの」
綺麗な笑顔が少しずつ曇っていく。
でも理由がよくわからかい。
「特に好きなのは幕末、新選組。だから割りと西暦とか把握してるんだけどね…」
そこで沙知さんは言葉を切る。
いい予感はもちろんしない。
「…沖田さんに惹かれているなら、できるだけ傍にいた方がいいわ」
その言葉を理解するのに時間はかからなかった。
私は沙知さんにろくな挨拶もせずに走り出した。
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