記憶の破片
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「お母さん、おはよう」



私、片桐 沙江【かたぎり さえ】。


ちなみに15才、高1。


朝食を食べるために居間のドアを開けると、いい匂いが鼻腔を掠める。


ちょうどお母さんが朝食を並べてるところだった。


ちなみにお母さんの名前は沙知【さち】。



「おはよう、沙江」



お母さんが私を見てにっこり笑う。


娘の私が言うのもなんだけど、お母さんは美人だし優しいし憧れそのもの!



「早くしないと遅刻するぞ」



背後からした低い声にビクリと肩を揺らす。


それから恐る恐る振り返る。



「おはようございます」



振り返った先にいたのはお父さん。


私はお父さんか結構苦手だ。


嫌いじゃないけど空気が厳しいのだ。


特に礼儀作法はうるさいくらい言われる。



「おはようございます、隼人さん」



「おはよう、沙知」



娘には厳しいくせにお母さんにはかなり甘い。


今も目を細めてお母さんに挨拶をした。



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