記憶の破片
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「本当に大丈夫?」



翌日のお昼すぎ、お母さんが玄関で不安そうに顔を歪ませる。



「大丈夫っ。無理はしないから」



1週間、自宅療養の私は早速沖田さんを捜しに行くことにした。


タイムスリップをしていただけでカラダはどこも悪くない。


じっとなんかしていられない。



「もう、言い出したらきかないものね。いってらっしゃい」



呆れたように笑いながら、お母さんは私を送り出してくれた。


さて…意気込んで出てきたけど、どこを捜そう。


現代での沖田さんの手がかりは何もない。


とりあえずは電車に乗って、人混みに行くことにした。


……………見つかるのかな。


人が忙しなく動く街のベンチに腰をかけて早くも1時間。


前を歩く人はたくさんいるのに、会いたい人はいない。


もしかしたら沖田さんと同じ顔じゃないかもしれない。


でも、沖田さんの生まれ変わりならわかる。


根拠のない自信がなぜか心の中に強くあった。



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