記憶の破片
戸惑いと罪悪感
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次の日も沖田さんを捜しに行った。
もう一度会えると信じて。
昨日と同じベンチに座り、人の流れを見つめる。
どうしてこんなにもの人が私の前を通り過ぎて行くのに、肝心の会いたい人がいないのだろう。
「…沖田さん」
小さく声に出して呟いたとき、少し離れたところを歩いていた男の人が視界に入ってきた。
他の大勢の人がモノクロになって。
その人だけがカラーで、やけに鮮明に映る。
「ちょ、通してくださいっ」
ベンチから立ち上がると、足が勝手に駆け出していた。
人の波を掻き分けながら、目的の人を見失わないように進んで行く。
横顔だけだったし、でも、私の直感であの人は沖田さんだと思った。
「あのっ」
人の波から脱出して、歩いていた男の人の服を勢いで掴んだ。
男の人の足が止まる。
首がゆっくりと回って、顔が私に向けられる。
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次の日も沖田さんを捜しに行った。
もう一度会えると信じて。
昨日と同じベンチに座り、人の流れを見つめる。
どうしてこんなにもの人が私の前を通り過ぎて行くのに、肝心の会いたい人がいないのだろう。
「…沖田さん」
小さく声に出して呟いたとき、少し離れたところを歩いていた男の人が視界に入ってきた。
他の大勢の人がモノクロになって。
その人だけがカラーで、やけに鮮明に映る。
「ちょ、通してくださいっ」
ベンチから立ち上がると、足が勝手に駆け出していた。
人の波を掻き分けながら、目的の人を見失わないように進んで行く。
横顔だけだったし、でも、私の直感であの人は沖田さんだと思った。
「あのっ」
人の波から脱出して、歩いていた男の人の服を勢いで掴んだ。
男の人の足が止まる。
首がゆっくりと回って、顔が私に向けられる。
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