記憶の破片
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それからの記憶は曖昧なものだった。



きちんとした文章で話せるほど心が落ち着くわけもなくて、ただ単語を思いつくままに口にしていったような気がする。



幕末とか、タイムスリップとか、沖田さんとか…。



それでも、総さんは口を挟むことなく黙って私の声に耳を傾けていた。



向こうの時代で沖田さんを想い過ごしたこと。



病床の沖田さんを見ているのが堪らなく辛かったこと。



告白しようとしたのに、遮られてしまったこと。



そして、沖田さんと私がした約束のこと。



現代に戻った私はその約束を支えに沖田さんの生まれ変わりを捜したこと。



総さんを初めて見た瞬間、ピンときたこと。



すべてを話し終えたとき、私たちを包むのはやっぱり重い空気だった。



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