君へのラブソング
第1章
街角の歌‐side Mina
大都会の混雑した電車。
あたしは人目を気にせず、泣いていた。
…いや、人目を気にする余裕なんて少しも持ち合わせていなかった。
遡ること、3時間前―…
あたしは最愛の彼との子を授かり、定期検診を受けていた。
いつも通り、エコーをして我が子の成長を確認している時、いきなり主治医の先生の手が止まった。
「先生…?」
主治医は、じっと映像を見ていてあたしの問い掛けにすぐ返事をくれなかった。
「赤ちゃん、元気ですか?」
「…中本さん、」
嫌な予感が頭を過ぎる。
それが現実になるまで、あと数秒。
「残念ですが…。」
唇を噛み締め、俯き先生はそう言った。