君へのラブソング

俺も一応男だから、恋の一つや二つ経験したけれど…
想いを告げることなんか出来るわけなく終った。

"オナベ" "レズ"
そんな間違った先入観を持った彼女達に、想いを告げることが恐ろしい程に怖かった。

恋をするたび、辛くて…
想いを伝えることが出来ないこの身体が憎たらしくて。どうして男じゃないんだろうって。

逃げたくて、手首に刃を宛がった。力を少しずつ加えて、血管が浮き出ている白い手首からツーッと血が出た途端、両親の顔が浮かんで結局浅い傷を作った程度だった。
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