君へのラブソング
あたし達が生まれることはなかったけれど、新しい命を授かったことを忘れないために、この日を忘れないために、陸はそう言った。
あたしは頷いた。
陸の赤ちゃんに対する愛が嬉しかった。
ねえ、赤ちゃん。
ママとパパは確かにあなたを愛してる。これからもずっと…。
だからね、安らかに眠ってね。
婚姻届を提出し、晴れてあたし達は夫婦になった。
これからは、中本じゃなく安西美奈。
ずっと、この身体が朽ち果てるまであたしは陸と添い遂げることを改めて誓った。