うちのおネコ様
7時から2時間コースで、カラオケ。
お決まりっちゃお決まりだけど、あんまり夜遊びもしていない私だけ内心ドキドキだった。

2時間・・・順調に終わって9時か。
チャリで帰って・・・9時15分。はあ。確実にあの子達はお腹すかせてるな。

大切な家族である3人(匹)を留守番させてきたことに、私は段々後悔してきた。いや、多分留守番させてることだけではない。親が急に1ヶ月不在になった事を良い事に、その当日にこんな所でこんな見知らぬ男性にかこまれ、一般的に「夜遊び」といわれる事をしてる自分に、いけない事をしている気分ですごく自分がイヤになった。


そこではさらに盛り上がる11人に対し、ただただ時間が過ぎるのを待つ1人がいた。


2時間をまわり、9時になったので、部屋の電話がなった。
「もしもし、お時間5分前となりますが」

同じセリフをみづきが繰返すと、「延長ー!!」の声が。
ええ!?まだ歌うのあんたたち・・・
さすがにこんな時間まで、だめだろう・・・と美紀や悠子、スポーツ美少女のさくらの方に目を向けたが、みんなためらう様子はなかった。
もちろん可憐も。

「30分延長でー」といって電話をきったみづきに、こっそりかけよった。
「私、もう帰るから!」
「え!まじで?もう無理??」
私は昼間日本語がわからないと思った男が熱唱している中、家庭の事情を説明した。今日から我が家は1人な事、そして3匹の可愛いネコに餌をやらなくちゃと。

1人ならなおさら残ってよ、とも言われたが、私が必死に話すので、みづきは残念そうに「わかったあ。また絶対遊ぼうね」といって、「お帰りです」とみんなに告げ、11人の視線を私に向かせた。


みんなが私に視線を向けたのは、ファミレスの自己紹介依頼だ。
またまた顔がぼっと赤くなり、
「オツカレサマでした。またよろしくお願いしますっ」と何の挨拶なのかわからない挨拶でその部屋を出た。









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