うちのおネコ様
ありえない声を出してしまった。

自分でも自覚した。

しかし叫ばずにはいられなかったのだ。


なぜなら、本来うちには今私以外の人間が存在しないのだから。


そして、この家にいてもいいのは3匹のネコだ。


ましてや金髪の外人さんなんて・・・英語もろくにしゃべれないのに、なんのドッキリか?
もしかして、アメリカに行ったのは父と母じゃなくて私?!
いつの間にか何処かの家にホームステイでもして、そして部屋が足りないのであえなく「じゃあ同じ布団で寝てください・・・」なんて結果になってたのだろうか!?


どっちにしろ、これは男の人である!!
ない!見ず知らずの人と(しかも男と)寝るなんて・・・

昨日の黒髪君に抱いた純情はどこにいったのよ?(涙)
気持ち悪いけど助けてくれた好青年への憧れは何だったの??



「・・・うっせぇーなあ。。。」


金髪の外人はものすごい不機嫌そうに頭をかいて、ベットから飛び起き部屋の隅にたじろいでいる美子の方に目を向けた。


「んあー・・・。ああ。おはよう。ミコ」

彼女の顔を確認すると、目は死んでいたが口元だけはニコリと笑い、彼はひじを突いて身体を起こした。

まだ起きようという気配ではない。


「え!え?あの!だ、誰ですかあなたは!?っていうか、


ここはどこですか・・・」


もはや自分の部屋だという確証も持てなかった。


だって、目の前にはガタイのいい金髪の(しかも上半身裸の)外人男性がいる。
しかもさっきまで自分はそこに寝ていたのだから驚きだ。



ああー、そうかぁこれはまだ夢なんだ、そうだ夢を見ているんだ。

昨日の事と寂しさでショックとストレスで頭がおかしいんだ。


美子はそう思い込むようになって、また足りない頭を朝っぱらからフル回転させていた。


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