うちのおネコ様
「ないっ!!絶対ありえない!ない!!」

美子は急いで自分の部屋を出ると、階段をどすっどすっと大きな音を立てて降り、
急いでリビングへむかった。

「にゃあ~~」
そこにはロシアンブルーの「ブルー」が、ご飯はまだ?というような表情で
待っていた。

同じソファの上には、雑種の年長者(といっても1歳半くらい)のハルがいた。
寝てたよぉ~~、という顔でこちらに気がついて、ブルーの後に続き「にゃあ~」(おはよう?)とでも言ったようにないていた。


「ル、ルディー!?」


どこ??私の可愛いルディちゃん!?


美子は必死にキッチンやら両親の部屋やら、トイレ、風呂場、まさかお外?と
庭の方まで探しに行った。

「なんだよおー・・・。俺ならここにいるだろ?」


庭先にいた私はギクリとして、先ほどの金髪の声が「どうか夢でありますように」
と願い、ゆっくりと振り返った。。

ま、まさか・・・

「る  でぃ ?」

「・・・はい。」


本当に失神できるようなか弱い子ならここで失神したかった。
どうして私はこんなに健康優良児なんでしょうか?
こんな時こそ貧血で倒れ、ステキな王子様なんぞに抱えられ、夢から目をさましてハッピーエンドになるものを想像するのに。



残念ながら私は至って健康だったので、頭を抱えながらニコニコ顔出す愉快な「ルディ」という青年のいるリビングの方へ、自ら足を運んでいった・・・


ありえない。ありえない・・・・

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