Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
少しづつ
やっと慣れて来たバイト先
思いきりあくびしてたとこ
いきなり武藤に声かけられた
「クーラー利いてるから
キモチよくて…」
「スタジオ帰りで寝てないとか?」
「ううん、昨日はなんか予約
先に入れられちゃってて
うちら入れなかったから〜」
「夜更かし?」
「レポート書いてた…」
「あ〜そっか
村田もそれで、今日休みだって」
「え〜そうなんだ」
「あいつバイト入れすぎ」
「単位ギリとか言ってたね〜」
「ま、あいつは要領いいから
全然大丈夫でしょう!
――― いらっしゃいませ〜」
大学の試験は、期末だけ
普通の試験もあるけど
それとはまた別に
論文
『なぜ○○は○○なのか』〜とか
覚えたのだけじゃなくて
自分で考えたこと、書く奴とか
昨日やってたのはレポート課題で
受けた授業内容を、また自分で調べて
なんか、数学のテストの
一番最後にあるみたいな文を
自分の意見でまとめて
期限までに、提出しなきゃいけない
「… なんか〜夏休みの宿題さ〜
今やってる気分だょ…」
「わはははっ」
「武藤も最近
あんまり入ってなかったね〜」
「あ〜
なんか契約とか色々
事務所の人と行っててさ
んで、撮影スタジオ入ったり」
「えっ!!なんかプロっぽい
どんな事すんの?!」
「細かい事、良くわかんねえけど
なんか、髪切るなって言われた」
「へ〜!!あとはあとは?!」