Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




「… なんか」


「うん」


「武藤の話は、安心するね〜」


「あはは」


「元気でる!っていうかさ」


「葉山ももうすぐ合宿だろ?
しかも沖縄!」


「そ〜っっ!!なんか
沖縄行くって行ったら井上ちゃんに
”ど〜せ行くなら
別のとこにして下さいよ〜”
って怒られた!」


「ぶはははは!
あれだろ?修旅で自分が行ったから
みやげ物別なのが良かったんだろ?」


「そ〜!
だから、貰った奴とは別にする!」


「俺、シーサーの顔がついた
南京錠だったんだけど」


「私も!カバンに着けてる!
カレシと一緒に決めたらしいよ」


「修旅って言えばさ〜」


「うんうん!」




――― 夜景がすご〜く
キレイだった事とか…


お皿に皆で、絵を描いた事とか


武藤は違うクラスだったから
うちらは全然知らなかったけど


夜中抜け出そうとして
ずっ〜と正座させられてた事とか


それからしばらく二人で
なつかしいね〜なんて


ヒマになるとずっと
修学旅行の話してた






「店長!おつかれさまでした〜!」


「おっつぅ〜」


「お疲れ様でした〜!」


「うわ… あっつ…!!」



裏口のドア開けた途端
むわっとした、アスファルトの熱


駅でも汗ふいたり
サーフボード抱えてる人とかいっぱい




「夏来た〜!って感じだな〜」


「うんうん  ぅあ!」


「―――… っと!」






… びっくりした




定期出そうとして、カバン開けてたら


なんか、後ろから靴踏まれて
コケそうになったんだけど…




「ご… ごめん!武藤」


「端行こう、あっち」


「う… うん」




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