Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
とりあえず、居間に座ってテレビ
それから、お土産を拡げた
「あらキレイ!!ペアグラスじゃん!!」
「あとこれ!
そういえばまだユウの奴
ヒロくんとこいんの?」
「あんたと同じ〜
最初に電話、一回かけて来ただけ!
夏休みギリまでいるつもりみたいよ〜」
「わ、私は帰って来る前に
ちゃんと電話したじゃん!」
「それだって二回でしょ〜」
「そ、そうだ!
サトウキビとパイナップル
明日くらいに、い〜っぱい届くからね!」
「宅急便で
送ってくれたって言ってたね」
「そそ!」
「でも…
良くして貰って、よかったねえ ユカ」
「うん!すっごい楽しかった!」
「でもあんた
明日もライヴ、出掛けるんでしょう?」
「あ!バイト先寄ってから行くかも!
急行乗るから、結局おりるし」
「ならご飯食べたら、早めに寝ちゃいな
一応お母さん、起こしてあげるけど」
「――― ま…またなんか罠?!」
「は?罠ってなによ」
「べ…別に?
じゃあお父さん帰って来るまで
少し寝よっかなあ
歯だけみがいてこよう〜っと!
今日は夕飯なに〜?」
「―――… あんた 何やってんの?」
「は?なにって?」
「… それ」
「それって…
洗い物しか持ってないじゃん」
「…だからなんで持ってるのよ」
「なんで…って、洗面所行くし
ついでに持ってこうとしてるだけじゃん」
「… 明日ぜったい、台風関東直撃だわ」
「はあ?!?!」