Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




少し後ノリのスネア
叩くたびに水しぶき


いつもより重く響く バスドラの音


カッティングしてる緑川さんは
さっきとはまるで別人みたいに
ニコリともしない ―――…



スタッフの人
曲が進んで行くにつれて
ステージに上がる事が多くなった




MCなんか 一回もナシでぶっ通し




痛いし 熱いし 目、見えないし


もうわけわかんない…


心臓 バクバクして苦しい ―――




もう、歌う『彼』も、観客も
楽器もアンプも 全部ズブ濡れ


ギターの音 ブツっと切れたり
途中で何度も、演奏止まった




それなのに続けるから
客席のいろんなとこで
ジャンプしたり叫んだり


後ろからも押されて、すごく怖くなって




あちこちからスタッフの
”押さないで!!”の声聞こえてるのに




必死になってるこっちの事なんか
全然関係ないみたいに


ライヴの時しかしない顔して また笑う





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