Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
ため息
マキちゃんちのマンションの入口
部屋のボタンを押した
『―― はい』
マキちゃんの声だ
「… ゆ、ユカでっす!」
『いらっしゃい!!すぐ開けるね!』
ガチャっと
手引きのドアから音がして
その奥の自動ドア 中に入る
――― 吹き抜け
大理石の壁には
本物のアンモナイトの化石が
そのままいたり
黒くてピカピカの床
飾りとかもアンティークな
外国映画に出てきそうな
エレベーターに乗って
私はひとり、上にあがった