Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




ため息


マキちゃんちのマンションの入口


部屋のボタンを押した




『―― はい』


マキちゃんの声だ


「… ゆ、ユカでっす!」

『いらっしゃい!!すぐ開けるね!』


ガチャっと
手引きのドアから音がして
その奥の自動ドア 中に入る




――― 吹き抜け


大理石の壁には
本物のアンモナイトの化石が
そのままいたり


黒くてピカピカの床


飾りとかもアンティークな
外国映画に出てきそうな
エレベーターに乗って
私はひとり、上にあがった



< 30 / 525 >

この作品をシェア

pagetop