Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜








両方の肩から 手が離れて

武藤の背中が 雑踏に消えてくのを
私はずっと、ボンヤリ見てた




「―― あ スイマセン。」




女の子と 体ぶつかって
そう謝られて




目の前にすぐ 駅があって
そういえば、ユリちゃんに
お見舞い持って行こうと思ってて




雑誌に載ってた
ここのデパ地下のロールケーキ
おいしそうとか言ってたから




そのまま横断歩道渡って
エスカレーターに乗った






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