Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
「いらっしゃ〜い!!ユカ!!」
「ユカ!久しぶり!!」
「…マキちゃん〜〜!!
シノおおおお〜〜〜っっ!!!」
部屋には音楽かかってる
テーブルの上には お菓子とジュース
ギターとタブ譜、ミュージック雑誌
「え…ユカ〜?!
なんで?!彼はどうしたの〜?!」
「あ! ユリちゃん!会ったよ!
こ、ここまで送ってもらった…」
す…すっげー歓声…
「すごい!!なんか進展してる!」
「うむうむ!!
ユカにしてはよくやった!!
この篠原、褒めてつかわすぞ!」
「ゆ、ユカにしてはって!!」
「ユカ!
とりあえずベース置いて座りなよ
オレンジとサイダーどっち飲む?」
黒髪ロング、美形の巨乳
今ジュース
入れてくれてるのがマキちゃん
真木貴子
うちのバンドのギタリスト
二人兄妹
さっき『彼』の話に何度か出てた
真木さんっていうのがアニキで
音楽事務所のエライ人
最初、うちらがバンドを組んだ時
中学からやってたマキちゃん以外は
皆、楽器とか持ってなくって
大学時代から
イベント屋とかやってたアニキが
ドラムとかアンプとか
色々用意して運んでくれた
マキちゃんは
バンドをひっぱってる
実質、リーダーだ
「ユカ… あんた
焼き肉か何か食べて来たね…?」
キラッと光る、メガネをあげて
鋭い洞察力を見せつけたのは
和風みつあみ美人、篠原奈美
うちのバンドのドラマーで
私の中学からの親友
本当は
受かるかわからなかった高校
シノが勉強見てくれて入れて
今回も、面接とか作文とか
色々と教えてくれた、超優等生だ
でも、実は一番性格熱くて
かなりなイベント好きの
お祭好きだったりする ―――