Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
「どんな子?!」
「歌うまい〜?!」
「いい子だよー
でもまだストロベリーピンクの演奏
聞いてもらってないし
皆も歌、聞きたいでしょ?」
「うん!聞きたい!!!」
「だから一度、皆で会おうよ!
それで気が合って ―――
夏には合宿したり、形になったら
ライヴハウスに応募したいなって」
「だね〜
事務所とかにも送ったり〜?」
「それだよマキちゃん!!
アニキに頼むとかは?!」
―――… シーンとする。
ま、また…
『余計な一言』やっちゃった…?
「 嫌。 」
「そっ…そっかあ
そ、そうだよね!!ごめん!」
「まあ確かにコネとか
いろいろと言われそうだけど」
「別にそんなのは気にしない
後で認めさせればいいだけだし
――― ただ親に
音楽反対されて、実家出て
ここにいるのも兄貴がかりだし…
これ以上、借りを作るのが嫌」
フンッて顔して
マキちゃんは横を向く
なんだろ、ケンカしたのかな
口はちょっと乱暴だけど
なんかすごい、いい人なのになあ
「ま〜その辺は置いといて〜
ちょっと練習しな〜い?」
「そうそう
せっかく皆、集まったんだしね
スタジオ取れなかったから
エアドラムだけど」
「あは
…うん そうだね」
「――― う、うんっ!!」
… そうなんだ ―――